経済学部シラバス
2022年度(令和4年度)

Syllabus

東アジアの文化と社会2/東アジアの文化と社会B

履修年度 2022
講義コード 11C0105801
科目名 東アジアの文化と社会2/東アジアの文化と社会B
開講期 2期
担当者氏名 田中 有紀
履修年次 1年生
単位数 2
校舎 品川キャンパス
授業形態 講義
授業の目的 この授業では、中国思想史を概説的に講義し、特に漢~明代を扱います。中国思想は、いわゆる哲学的な側面だけではなく、政治・経済的な側面、科学や芸術などを幅広く含み(特に教員の専門である音楽をしばしばとりあげる予定です)、これらを理解するためには歴史的・社会的背景を知る必要があります。この授業は中国思想の在り方を包括的に理解することを通し、明代に至るまでの中国、東アジア社会を理解することが目的です。
到達目標 ・中国の思想、科学、芸術、歴史に関して、その概略を説明できる。

・中国の思想、科学、芸術、歴史に関する基礎的な史料・資料を図書館で調査することができる。

・中国思想の諸問題を自らの考えと関連付け、哲学的な思考ができる。
授業外学修内容・授業外学修時間数 参考書を読み毎回復習して下さい(3時間×15回=45時間)。

最終レポート(「思想・芸術・科学・経済・政治に関する本を一つを選び概要をまとめ、授業や自らの専門と関連付けて考えたことを論理的に書きなさい」)の準備をして下さい(15時間)。

以上をふまえこの授業では60時間以上の授業外学修を行うこと。
授業計画 【第1回】イントロダクション

 中国思想とはいかなるものか/漢代より前の思想史の復習

【第2回】荀子①

 諸子百家の集大成としての荀子/性悪説

【第3回】荀子②

 礼とは何か

【第4回】漢代の歴史と経学

 前漢の成り立ちと「儒教国教化」/王莽の新/今文と古文の論争

【第5回】『漢書』の世界①(律暦志)

 劉歆(りゅうきん)の音律学と天文暦法

【第6回】『漢書』の世界②(芸文志)

 中国の目録学(本をどのように分類するか)

【第7回】魏晋南北朝時代の玄学①

 玄学とは何か/中国における仏教・道教の歴史

【第8回】魏晋南北朝時代の玄学②

 嵆康『声無哀楽論』の音楽美学

【第9回】隋唐時代の歴史と外来文化の受容

 女帝・則天武后の政治/玄宗と楊貴妃/隋唐音楽と日本雅楽

【第10回】北宋時代の思想

 韓愈・欧陽脩の古文復興運動/王安石の政治思想と学術/道学の先駆/徽宗朝の文化

【第11回】南宋・朱熹と朱子学

 朱熹の生涯/理気二元論/仏教と道教の影響

【第12回】明・王陽明と陽明学

 王陽明の生涯/心即理/知行合一

【第13回】日本の朱子学、陽明学

 林羅山と徳川幕府/伊藤仁斎と荻生徂徠/幕末の陽明学者・吉田松陰

【第14回】キリスト教と明末の社会と文化

 マテオリッチとイエズス会/西洋学術と出会った中国人たち/爛熟した中国文化

【第15回】最終レポートに対するフィードバック、中国思想史(漢代~明代)のまとめ
成績評価の方法 確認テスト(70%)、最終レポート(30%)



確認テストは、全部で5点×14回で70点(70%)となります(主に知識問題)。
フィードバックの内容 確認テストは、締め切り終了後に正答を示し、解説を行います。
教科書
指定図書
参考書 『中國哲學史』狩野直喜 岩波書店 1953
『中国思想史』武内義雄 岩波書店 1957
『朱子学と陽明学』島田虔次 岩波書店 1967
『中国の科学思想 : 両漢天学考』川原秀城 創文社 1996
『中国思想文化事典』溝口雄三, 丸山松幸, 池田知久編 東京大学出版会 2001
『東アジアの儒教と礼』小島毅 山川出版社 2004
『中国の音楽論と平均律 : 儒教における楽の思想』田中有紀 風響社 2014
『中国思想と宗教の奔流 : 宋朝』小島毅 講談社 2005
『近代中国の思索者たち』佐藤慎一 大修館書店 1998
『絢爛たる世界帝国 : 隋唐時代』氣賀澤保規 講談社 2005
教員からのお知らせ この授業ではTeamsを使って確認テストやフィードバックを行います。あらかじめ使い方を確認しておいてください。
オフィスアワー 質問は、Teamsやメール(yuki★ioc.u-tokyo.ac.jp ※★は@に変えてください)で受け付けます。
アクティブ・ラーニングの内容 ディスカッション、反転授業(一部)
その他