CLASS INTRODUCTION
授業紹介
国際経済学
担当:河原 伸哉 教授
国際経済学を通じて
世界で起こる様々な
出来事を分析する力を
身につけよう
2019年から20年にかけてのコロナウイルスのパンデミックによって、世界中のほとんどの国では、生産・消費・投資・貿易などの経済活動が縮小し、また、物価や失業率が上昇するなど深刻な不況に陥りました。このようにある国や地域で発生した出来事の影響が(それがマイナスの影響であってもプラスの影響であっても)、瞬く間に世界中に波及するのを目の当たりにすると、今日のグローバル化した経済における国際的な繋がりの重要性を改めて認識させられます。実際、近年の日本のGDP(国内総生産)に対する海外との経済取引(輸出と輸入)の割合はおよそ4割にも達します。これは日本の経済が外国との取引なしにはもはや成り立たないことを意味します。また、そのような傾向は、日本だけでなく、他の多くの先進国や途上国にも当てはまります。この授業では、日本経済における外国との取引(モノやサービスの貿易、投資、ヒトの移動)やそのメカニズムなど、国際経済の現状と直面する様々な課題などについて概観し、経済学は海外との経済取引をどのように分析してきたのか(分析できるのか)について考えることにより、国際経済に対する理解を深めます。
高校生へのメッセージ
国家間の経済取引を扱う国際経済学以外にも、経済学の対象範囲はとても広く、私たちが日々行うあらゆる取引をその分析対象とします。昨今、社会の様々な分野でデータの活用が話題となっています。経済学でもデータを用いた分析が重視されますが、様々な経済問題を考える際には、データに加えて、問題を論理的にどう捉えるかといった理論的な視点も重要です。経済学を学び、理論とデータ両視点から問題を分析することで、広く社会問題を考える視点を身につけてください。
国際金融論
担当:外木 好美 准教授
グローバルなお金の移動
から経済を考える
「お金」を「融通する」と書いて、「金融」です。「借金」は、お金が不足している人が余っている人から借りることですから、まさに「金融」です。
例えば、会社が事業を新たにやりたい場合、事前にそのためのお金を準備しなければなりません。どんなに将来性があってもお金が用意できなければ、実行することができません。でも、「金融」でお金を融通してもらえれば、実行することができますし、将来稼いだお金で返済できれば問題ありません。経済も発展します。実は、「奨学金」も「金融」で、お金の融通をしてもらえるからこそ、大学で学ぶことができ、将来、社会で羽ばたくことができます。「借金」と聞くと“いけないこと”、“やらない方が良いこと”と思う人が多いと思いますが、経済が発展するうえで重要です。
「国際金融」は、国と国の間のお金の融通です。お金を融通し合う相手を、自国内だけでなく、外国からも探すことができます。まだ豊かではないけれど、これから発展が期待できる発展途上国は、既に豊かになった国からお金を融通してもらえます。ただ、外国の通貨は自国では使えませんので、通貨を交換する「為替取引」が必要です。通過の交換レートは、「1ドル=○○円」のように、日々変動します。お金の融通先として魅力的な国には多くの投資家が投資しようとしますから、その国の通貨に交換しようとします。つまり、その国の通貨の価値が高まります。逆に魅力がない国の通貨の価値は下がります。
「国際金融論」では、こうした国際的な資金の移動を想定したうえで、自国の経済について分析をします。グローバルな視点で、自国経済の動きを理解することができるようになります。
高校生へのメッセージ
毎日、ニュースで「1ドル=○○円」のように為替レートが扱われています。一見、自分の生活と無縁のことに思えますが、そんなことはありません。外国の通貨の価値が上昇するということは、外国からモノを輸入する時の価格が高くなります。日本は資源が少なく、多くのものを輸入に頼っていますから、生活に影響します。
自分の身近なちょっとしたことでも、それがなぜ起きたのかを大きな視点で考察できるようになれば、変化が大きい経済社会の中で賢く渡り歩くことができるでしょう。
Business Discussion
担当:マイケル クボ 専任講師
最新のビジネスのトレンドやトピックについて、
英語で学び、議論する
Business Discussionのクラスへようこそ。参加される前にコーヒーを一杯どうぞ!ビジネス界のプロフェッショナルと同じように、朝のニュースを読み、それがビジネスやエキサイティングで変化の速いこの世界とどのように関連しているのかを話し合うことから一日を始めましょう。
このクラスでは、英語でビジネスについて学び、それが経済学とどのように結びついているのか、あるいは、経済学が世界中の小さなビジネスから大きなビジネスまで、あらゆるビジネスにどのような影響を与えるかを学びます。
皆が、自分の考えや疑問を気軽に話し、ディスカッションに参加することで、クラスの雰囲気が活発になり、より興味深いものになると信じています。 あなたの好奇心と意見を授業にぶつけて、一緒に学び、成長しましょう。
高校生へのメッセージ
コロナウィルスのパンデミック以降、ビジネスのあり方は大きく変わりました。リモートワークやZoomを使った会議などは、COVID以降も一般的になり、ビジネスの世界における人々の関わり方にも変化がもたらされています。例えば、欧米では伝統的な握手が姿を消し、日本では長年親しまれてきた名刺交換の習慣さえも他の方法にとって代わられようとしています。
世界は急速に変化しており、毎日何か新しいことが起きているように思えます。ウクライナやイスラエルでの紛争は、世界経済や商品の生産・配送方法に直接影響し、あらゆる人々の生活にも大きな影響を与え、長期にわたる問題を引き起こします。テクノロジーも急速に変化しており、ビジネスのあり方や人々の就職活動に大きな役割を果たしています。こうした懸念のほかにも、資源の使いすぎや気候変動、人工知能の台頭など、世界的にいくつもの重要な問題があります。これらの課題に対する解決策を見つけるのは簡単ではありませんが、日頃からこれらの課題について語り、前向きな変化をもたらす方法を考えることは、複雑化する世界を生きるわれわれに課せられた使命だと思います。
コーポレート・ファイナンス
担当:川口 真一 教授
資金の観点から企業の行動を理解する
「コーポレート・ファイナンス」は、企業ファイナンス、企業金融、企業財務、あるいは経営財務とも訳され、ビジネスや経済において非常に重要な分野の学問です。
この授業では、企業はどのように資金を調達し、どのように投資するか、そして、投資から得た利益をどう分配するのかを学びます。また、企業の財務状況を理解し、成績表である財務諸表の読み方と分析方法も習得します。企業の投資については、プロジェクトや事業の価値を評価し、どのプロジェクトに資金を割り当てるかを決定する方法などを理論を用いて理解することが重要です。そのためには、投資に伴うリスクとリターンについて理解し、リスクをどのようにマネジメントするかを学ぶ必要もあります。
この授業を通じて、資金の観点からビジネスの基本的な思考とスキルを習得し、将来のキャリアや経済的な意思決定に役立つ知識を身につけることができます。
高校生へのメッセージ
高校生の皆さんは、企業が何を目的に行動し、意思決定をしているのかを理解したいと思いませんか?それを理解するためには、大学でコーポレート・ファイナンスだけでなく経済学分野の学問を幅広く学ぶ必要があります。
表面的な経済現象だけを捉えていると物事の本質は見えてきません。自分の頭で考えられる力を身につけ、本質を見抜き、大学で学んだことをビジネスで活かすことが重要です。経済学の思考を通して、物事を様々な観点から見て理解し、判断できるようになってください。
都市経済学
担当:小林 隆史 准教授
あなたの住む街の課題は
何ですか?
現代社会において、都市圏に居住する人口の割合は増加傾向にあります。技術の進展により農林水産業に人手がかからなくなったことが前提にありますが、「都市」には人々を惹きつける魅力があることも大きな理由の一つです。
インターネットの普及した現代、音楽も映画も自宅やスマートフォンで気軽に視聴できますが、それでも多くの人がコンサートや舞台、そしてお祭りなどに訪れるのです。「その場に共に居る」ということは、とても贅沢な、そして人の心に触れる行為なのでしょう。
しかし、人々が集まるためには、時間やエネルギーをかけて「移動」することが必要になります。「移動」を減らすために人々は集まって住もうとしますが、そこには「空間」の制約、つまり土地が足りなくなる状況が生じます。それは、混雑や騒音など様々な課題の要因といえるでしょう。
都市経済学では「人やモノが空間を移動する」ことに着目し、都市は何処にできるのか、都市特有の課題は何か、その課題を解決する手段は何かを学んでいきます。まずは、自分の住んでいる街の魅力と課題は何か、考えることから始めてみてください。
高校生へのメッセージ
自分の住んでいる街の魅力と課題を話すことはできますか?魅力と課題を見つけるためには、街を歩いてみる必要があるでしょう。インターネットだけでは得られない情報が街なかには満ちていますので。そして、課題がみつかったら、「なぜ、その課題が生じてしまったのか」と理由を探り、「どうやったらその課題が解決できるのか」と考えてみてください。これは「100%の正解がない問題」の一例です。よりよい解決策を、私も、貴方と一緒に考えていきたいと思います。
ミクロ経済学
担当:小野﨑 保 教授
市場経済の基本的なメカニズムを学ぼう
「市場経済」などと聞くと、何だか縁遠いもののように感じませんか。しかし、たとえばラーメンを食べたり、服を買ったり、映画を観たり、私たちはほぼ毎日のように市場経済の中で「消費」という経済活動を行っています。市場経済はわれわれの日常生活と直結しており、とても身近な存在なのです。
ミクロ経済学の目的は、市場経済の2つの大きな役割を明らかにすることです。1つ目の役割はモノやサービスの価格を決めることです。これを「価格決定機能」といいます。市場経済において価格はどのように決まるのでしょうか。モノやサービスを生産するには費用がかかるので、売り手はその費用に儲けを上乗せして価格をつけます。しかし、その価格で売れ行きが低調なら儲けを減らす覚悟で価格を下げるでしょう。逆に、売れ行きが好調なら儲けを増やすために価格を上げるでしょう。このように、市場では売り手と買い手の相互作用によって価格が決まるのです。
市場経済の2つ目の役割は、何を、どのように、どれだけ生産し、誰に売るかを決めることです。これを「資源配分機能」といいます。ラーメンを例に考えてみましょう。ラーメンはいろいろな材料の集まりです。麺は小麦粉からが作られ、スープは鶏ガラや鰹節から作られ、タレは醤油から作られ、醤油は大豆から作られ・・・というように、さまざまな工程を経た材料が市場の取引を通じてラーメン屋に集まっています。市場のこうした働きのお陰で、私たちはそれぞれの材料が何から作られ、どのようにしてここに来たのかを意識しないまま、お金を払えば簡単にラーメンを味わうことができます。このように、市場経済は、何を、どのように、どれだけ生産し誰に売るかを決める能力が備わっているのです。
ミクロ経済学はこうした市場経済の機能を明らかにし、それがどのように働くのか、あるいはどのようなときに働かなくなるのかを解明します。
高校生へのメッセージ
ミクロ経済学をはじめ、経済学の理論を学ぶには数理的な思考を使います。数理的な内容を嫌う人がいるかもしれませんが、大学で何を学ぶにしても、また将来就職してからでも数理的思考はさまざまな場面で役に立つので、学生時代にしっかり慣れるようにしてください。
マクロ経済学
担当:慶田 昌之 准教授
経済全体を身近に感じる
ために、マクロ経済学を
学ぶ
マクロ経済学は、一国全体の経済状態を分析する学問分野です。日本全体で景気が良くなったり、悪くなったりするのは、なぜなのでしょうか? 物価が上がっていくことで、昨日よりも節約しなければならなくなるのは、なぜなのでしょうか? 失業する人が増えて失業率が上がったり、あるいは失業していた人に仕事が見つかって失業率が下がったりするのは、なぜなのでしょうか? 景気が良かったり悪かったりすることを調節するために、政府が財政政策や金融政策を行いますが、それらの政策に効果があるのは、なぜなのでしょうか?
これらの問いに答えるために、マクロ経済学という学問分野があります。この授業で学ぶことは基礎的な内容ですが、経済社会を理解する基本的なツールでもあります。マクロ経済学を学ぶことで、新聞などで報じられている経済の出来事を理解するための知識が得られます。また、現在の経済問題に関する多くの議論を多角的に理解するための知識を得ることができます。
マクロ経済の問題というと自分には関係ない問題と感じる高校生も多いと思いますが、景気の状態や政府の経済政策などは、わたしたちの仕事や生活に直結した問題と言えます。日本経済の状況や政府の政策議論について、明確な考え方に基づいて自分で判断できるようになることは、マクロ経済学を学ぶ重要な目的であると言えます。
高校生へのメッセージ
経済の問題は複雑でわかりにくい。結局それぞれの人が意見を述べているだけで、何が正しいのか分からないのではないか、そんなふうに感じている高校生も多いのではないかと思います。大学で学ぶことは、高校生が学ぶ教科とは異なり、必ずしも答えのない問題を考える側面があります。一方で、現在までにその学問分野が明らかにしてきた基本的な知識を獲得するという側面もあります。この2つの側面を意識して勉強することは、大学で学問を学ぶ上でとても重要です。
マクロ経済学は、ミクロ経済学と並んで、現在の経済学の基礎をなしています。その意味で、マクロ経済学の授業は、これまで明らかになった基本的な知識を獲得するという側面が大きいと言えます。ただし、現実の経済の多くの問題を扱っているという意味で、実践的な学問分野でもあります。基本的な考え方を身につけることで、日本経済がどのような状況にあるのかを、自分の力で考えることができるようになります。これは、社会に出て仕事をする上で、みなさんにとって非常に大きな力となるでしょう。
計量経済学
担当:宮川 幸三 教授
データを活用した
実践的分析力を磨く
計量経済学は、経済データを用いて経済理論を検証することを目的に、主に回帰分析という手法を用いて数量的な観点から政策の効果測定や予測などを行う学問です。高度な数学的能力やコンピューターを使用するための専門的知識が必要なのではないかと思われがちですが、近年のコンピューター、ソフトウェアなどの性能向上によって、データを扱って分析を行うことのハードルが著しく下がったため、今や誰でも簡単にデータ分析を行うことができるようになりました。重要なのは、データ分析を駆使して具体的な問題を解決することができるような実践的能力です。
そこで計量経済学の授業では、経済の諸問題から身近なトピックまでを扱い、実際のデータを用いたパソコン演習を重視して授業を進めています。具体的には、ミクロ経済学の授業で学ぶ生産関数やエンゲル関数の推定に加え、賃貸住宅価格の分析、飲食店の売上に関する分析、睡眠時間と学業成績の関係に関する分析など、様々な事例を取り扱いながら実践的な分析能力を養います。
高校生へのメッセージ
自分が興味を持ったトピックについて、データを収集し分析することによって、これまでにない新たな発見があれば、それはとても楽しいし嬉しいことだと思います。また現在では、多くの企業や官公庁が経営戦略や政策の立案に際してデータ分析の結果を活用しているため、データ分析能力を身に付けることができれば就職にも有利かもしれません。
立正大学経済学部では、計量経済学以外にも、データ分析に関連する様々な授業を用意しています。興味を持った方は、是非一緒に勉強しましょう。
経済史
担当:髙橋 美由紀 教授
温故知新――自分の頭で
考える大切さ
わたしたちは毎日何らかの経済活動をおこなっています。たとえば、最近では電子マネーが発達し、現金を使わずに物を買うこともできるようになりました。しかし、それはここ何年かの驚くべき速さでの技術の発展によります。十年、二十年、百年……と遡ってみると、今は当たり前と考えていることが当たり前ではないということが数多くあります。
たとえば、日本でも明治の頃は自分の着る服は自分で縫っていました。それが、今では購入するのが当たり前になっています。すなわち、多くの人が社会で生活し、そして自分の生活に必要なものも自分では作らずに、他の人の生産に頼っているわけです。すなわち、「分業」がおこなわれ、それぞれの生産技術に特化した人たちが暮らしているということです。
また、物の取引をするために「市場」が発展してきました。最初に取り上げた取引に使われるお金に関しても、古くは米・布・貝・家畜などの「現物貨幣」が使われていました。それが、時代を経て貨幣・紙幣等が作られて流通していき、現代の電子マネーへまで移り変わってきたわけです。その裏にはひとびとの暮らしにおける必要性と技術の発達・社会の要請があります。
このような経済の歴史を学ぶことは、現在の「当たり前」、すなわち既成概念を改めて考え直し、今後の経済社会について考える自分自身の物の見方を育むことにもつながります。
経済史では、ひとびとの経済活動の歴史が、日本をはじめとして世界の多くの国々でどのように変遷してきたのか、そして現在の社会が作られてきたのかを考えていきます。
高校生へのメッセージ
見出しを「温故知新――自分の頭で考える大切さ」としました。とかく、情報が氾濫する現代社会では、自分が出会った情報をそのまま信じて疑わないことがありますが、それは危険でもあります。
経済史では、古いもの(歴史)を学び、現代の当たり前を「当たり前ではなく」それがどういう経緯で創られてきたのかを経済活動を中心に考えていいきます。そのことによって、さらに新しい考えを体得する大切さを改めて考えてほしいと思っています。
現在存在している物事や考え方がどのようにして作られてきたのかを知ることによって、また、情報の形成のされ方を再考することを通して、目の前にある情報を鵜呑みにせずに、自分の頭で考えることの大切さを認識していただきたいと思っています。
経済学史
担当:小沢 佳史 准教授
経済学を現在から未来へとつなげるために、過去を知ろう
経済学史では、経済学の歴史、すなわち経済学という学問が現在の姿をとるに至った過程を学びます。それによって、現在の経済学をさらに深く理解することができるから、さらには現在の経済学を状況に応じて発展させられるようになるからです。
現在の経済学の教科書をひもとくと、時には数式も駆使しながら、緻密な議論が順序立てて展開されてゆきます。そしてそこではたとえば、「自分の満足度を最大化しようとする個人の行動が、一定の条件の下で、社会全体として望ましい結果をもたらす」ということが示されます。ここで言う望ましさとは、「資源がむだなく活用されている」という意味です。
しかし、経済学のこうした現在の姿は、唯一のあるべき姿とは限りません。経済学の昔の姿は異なるものでしたし、将来の姿も異なるものになると考えられます。人間が日々成長するように、経済学も時代や場所に応じて変化してきましたし、これからも恐らく変化してゆくのです。この授業では、経済学――さらに言えばいま目の前にあるすべてのもの――を、変わりゆくものとして立体的に捉えられるようになることをめざします。
高校生へのメッセージ
経済学史は、歴史に関係する授業です。そして歴史に関係する授業と言えば、「遠い過去の出来事をとにかく暗記するもの」という印象が強いかもしれません。
たしかに、大学で歴史を学ぶときにも、過去の出来事を正確に理解してある程度まで覚えることが重要です。しかしその主な目的は、試験で高得点をとることや誰かに知識を披露することなどではなく、いま目の前にあるものをきちんと捉えられるようになることです。高校で歴史を学ぶときにも、過去の出来事と自分の身近にあるものとのつながりを、ぜひ意識して考えてみてください。
学修の基礎
担当:北原 克宣 教授
高校までとは違う
大学の学びの技法
大学では、知識を修得するだけではなく、みずから調査研究をし発表する力が求められます。この授業は1年生を対象として、① 高校までとは異なる大学の学び、② 自分の問題意識にもとづいた情報収集の仕方、③ 収集した情報を整理してまとめる方法、④ 取りまとめた内容の発表(プレゼンテーション)、⑤ プレゼンテーションの内容にもとづいた討論、⑥ レポートの作成方法などを学びます。
1クラス当たり15~20人ほどの少人数クラスで行われるため、学生同士はもちろんですが、教員と学生との距離が近いことに特徴があります。実際、この授業を通じて友人関係ができることも多いようですし、教員にとってはサポートしやすい関係を築くことができています。
また、2年生になると大半の学生はゼミナールに所属するため、1年次の後半にはゼミナールについて知る機会を設けています。
以上のように、この授業は、入学直後から2年生までの架け橋となり成長を支える授業となっています。
高校生へのメッセージ
大学に入学すると、大学での授業はどんな感じなのだろう、大学での勉強はどのようにすれば良いのだろう、大学の施設はどう利用したら・・・等々、さまざまな不安に襲われると思います。
この授業では、このような不安を少しでも解消してもらい、大学での学び方を知ってもらうことに重点を置いています。
日経で学ぶ
ビジネススキル・
アクションラーニング
担当:後藤未知夫 外部講師
実践的なビジネススキルを身につけよう
2年生以上が履修できる経済学部の特別授業です。3年生の夏にインターンシップが本格化します。インターン参加を経て、早期選考を受けるケースが増えています。早期化する就職活動前に、実践的にビジネススキルを学びます。
この授業では、グループに分かれてテーマを決め、企業のインタビューなどの関連取材を企画・実行し、新聞を作成します。日本経済新聞社から派遣された講師が、30年以上に及ぶ記者・デスクの経験をもとに、指導します。
日経講師の指導の下、取材先の最新動向を下調べします。学部で費用負担しますので追加負担なく、電子版の「日本経済新聞」を利用できます。就職活動前に企業や産業の動向を分析する力を身につけます。学生自身で電話やメールをして、取材のアポ取りをします。企業とのやり取りの方法は、日経講師から具体的・実践的に指導が受けられます。こうした経験は、就職活動でも役立つでしょう。新聞を作成するグループ活動と並行して、志望企業・業種を想定し、学生それぞれがエントリーシートを書き上げます。日経講師が個別にフィードバックをします。
高校生へのメッセージ
新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、みなさんの中学・高校での生活は、先輩や後輩とは大きく違ったものになったのではないでしょうか。立正大学の学生たちはキャンパスに通えず、自宅でオンラインの授業を受け、部活動や家族・友人とのレクリエーション、アルバイトも大きく制限されました。そこで課題になったのは、世の中のニュースがコロナ一色になるなか、人との交流が少なくなり、「受け身」になってしまうことでした。
大学での4年間は、長いようで、あっという間かもしれません。新しい仲間たちと、高校とは異なるゼミナールなどの新しい学びを経験するとともに、インターンなどの就職活動にも取り組みます。貴重な時間ですから、みなさんには、自分からアクション(行動)を起こして新しいことに挑戦し、力をつけていってもらいたいのです。
「日経で学ぶビジネススキル・アクションラーニング」は、けっして「受け身」にならずに、自分で考え、グループで議論し、働く人たちと対話して、成果を出していく授業です。世の中にあふれる経済ニュースを収集・分析し、話して、見て、聞いて、書くという記者の仕事を体感しながら、将来の社会人生活の武器になるスキルを一緒に学びましょう。
※後藤未知夫(日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット 研修・解説委員)略歴:
1989年日本経済新聞社入社、大阪本社社会部に配属。警察、空港、鉄道などを担当。1995年の阪神大震災を取材後、東京本社産業部の住宅・建設・不動産、自動車、食品、経営の各グループで業界・企業を担当した。 フランクフルト支局長、 産業部編集委員、 同部次長、 国際アジア部次長、欧州総局編集部 (ロンドン) 次長、企業報道部シニアエディターを経て、2018年から現職。「日経産業新聞」のコラム「眼光紙背」を執筆している。
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