SEMINAR INTERVIEW

ゼミナール
インタビュー

教授/戎野 淑子

EBISUNO SEMINAR

戎野淑子
ゼミナール

教授/戎野 淑子

INTERVIEWEES’ PROFILES

※所属・学年は、
インタビュー時のものです。

  • 白井 羽奏 さん

    白井 羽奏 さん

    経済学科
    金融コース3年
    千葉県立千城台
    高等学校出身

  • 古川 大翔 さん

    古川 大翔 さん

    経済学科
    経済学コース3年
    私立藤嶺学園
    藤沢高等学校出身

Q1

戎野ゼミナールでの研究テーマを教えて下さい。

古川さん

古川さん

戎野先生のご専門が「労働経済学」なので、僕と白井さんは同じグループだったのですが、「低賃金と賃金格差」というテーマで研究しました。

白井さん

白井さん

戎野ゼミでは、「労働」に関連したテーマで、ゼミナール大会での発表に向けて、2年生と3年生が合同でグループを組み、研究をしています。私たちのグループは、「低賃金と賃金格差」というテーマを扱ったのですが、学年合同でグループが組まれるため、2年生は論文作成や発表の仕方、経済学の基礎的な考え方を3年生から学ぶことができ、3年生は2年生をサポートしつつ、自分たちも論文作成や発表の練習を主体となって進めることで、論理的思考力やコミュニケーション力を身につけることができているように感じます。

立正大学経済学部では、ゼミナールに所属する3年生のグループが、それぞれが興味を持った研究テーマについて、論文を作成・発表する「ゼミナール大会」が開催されており、ほとんどすべてのゼミナールが参加します。戎野ゼミナールのように、2年生と3年生合同のグループで論文作成・研究発表するゼミナールもあります。

ゼミナールでの様子

ゼミナールでの様子

Q2

戎野ゼミナールに入ろうとしたきっかけを教えて下さい。

白井さん

白井さん

ゼミナール説明会のときに、戎野ゼミのブースに行ったのですが、そこで、戎野ゼミの方が「労働経済学の知識が得られることはもちろんのこと、人間として成長できることが戎野ゼミの魅力です。」と説明されていて、最初半信半疑だったのですが、後日ゼミナール大会で戎野ゼミの発表を聴いて、内容が頭にスッと入っているような、本当にクオリティの高い発表で、私もこういう発表ができるような人になりたい、人間として成長したい!と思って戎野ゼミを志望しました。

古川さん

古川さん

1年生のときにゼミナール大会を見学させてもらったのですが、戎野ゼミの発表は、驚くほどクオリティが高く、1年後、2年後に、僕がこのレベルの発表をすることは無理だろうなと思ったのと同時に、こういうレベルの発表ができるようになりたい!と強く思いました。これが僕が戎野ゼミに入りたいと思った理由です。

ゼミナール大会には、1年生も聞き手として参加することが義務付けられており、各学生はいくつかの興味のあるゼミナールの研究発表を聞き、最終的に志望するゼミナールを決定しています。

インタビューに答える白井羽奏さん

インタビューに答える白井羽奏さん

Q3

戎野先生はどんな先生ですか?

古川さん

古川さん

戎野ゼミでは、「労働」に関連あることがもちろん条件ではありますが、研究したいテーマを学生に自主的に提案させ、それがある程度集まったら、提案されたテーマの中から、それぞれが希望する研究テーマを選択する、という形で、ゼミナール大会での研究発表に向けたグループ分けをしています。グループ分けの後は、各グループがそれぞれのテーマで研究を進めるのですが、戎野先生は学生から質問されれば、もちろん的確なアドバイスをして下さいますが、そうでなければ特に先生の方から助言を与える、ということはしません。もちろん、先生から細かく助言を与えることで、質の高い論文が効率的に書けるのですが、試行錯誤を繰り返しながら、自分たちなりのより良い論文を作り上げていく経験の方が、社会に出た後では、はるかに重要であると考えていらっしゃるようです。また、ゼミナール大会の直前には、各グループが先生の前で発表するのですが、発表の持ち時間を1秒でも過ぎると、発表を中止させられるという厳格な一面もあります。これも社会人になったときに、期限などの最低限のルールを守らないと、仕事ができるできない以前に、他の人からの信頼を失ってしまう、ということを教えて下さっているのだと思います。

白井さん

白井さん

戎野先生はとてもきちっとされていて、イベントの場でも、学生とまるで友達のように交流して下さる、というタイプの方ではありません。ですが、例えば、私はゼミ合宿の運営係で、限られた予算の中での場所の選定や、ゼミ合宿で何を学ぶかという目的の策定、旅程の決定を担当し、とても大変だったのですが、事あるごとに先生がサポートして下さり、また、ゼミ合宿の後のお食事で先生が私の前に座ったときにも、「ゼミ合宿の運営のお仕事、よくがんばったね」と言って下さって、学生1人1人を後ろからしっかりと見守っていて下さる方なんだなと思いました。

Q4

ゼミナール大会で発表した論文の概要を教えて下さい。

古川さん

古川さん

日本は「失われた30年」と言われているように、1990年代の後半から実質賃金が、他の国々、例えばOECD諸国では顕著な上昇が見られる中で、唯一ほとんど変わっていません。それが何故なのか?というところから、僕たちの研究は始まりました。

白井さん

白井さん

調べてみてわかったことは、この30年間で、賃金の低い外国人労働者や非正規労働者と正規労働者との間の賃金格差が拡大していることです。正規労働者の実質賃金はゆるやかに上昇しているのですが、賃金が低いままの外国人労働者や非正規労働者の割合が増加したことによって、平均された実質賃金は増加していません。また、正規労働者の中でも、大企業の正規労働者は順調に実質賃金が上昇しているのに対して、中小企業の正規労働者は実質賃金がほとんど変化しておらず、その間でも賃金格差が広がっています。特に後者の賃金格差は、2013年に始まったアベノミクスが原因と考えられており、アベノミクスでは、大企業を優遇し、それによってその下請けとなっている中小企業にも恩恵をもたらして、労働者たちの賃金を上昇させようとしましたが、大企業では確かに経常利益が増加したことが、そこで働く正規労働者の賃金上昇につながったのですが、中小企業は、経常利益については多くの企業で黒字化したものの、将来確実にくるであろう不況に備えるためか、それがそこで働く正規労働者の賃金上昇にはつながりませんでした。

ゼミナール大会での発表の様子

ゼミナール大会での発表の様子

Q5

最後に、戎野ゼミナールに入ってよかった!という点を教えて下さい。

古川さん

古川さん

戎野ゼミでは、戎野先生がテーマを与えて、ということもありますし、論文作成の過程で、ということもありますが、グループ内でしばしばディベートが行われます。僕は元々、人前で自分の意見をいうのを躊躇したり、意見を言う際にとても緊張してしまうタイプなので、この訓練がとても役立ったなとインターンシップに参加して強く感じました。また、2学年合同でグループを組むため、グループ内で絆が生まれ、就職活動の悩みなどを、同じグループだった1学年上の先輩に気軽に相談できたことも、戎野ゼミに入ってよかったと思う理由の1つのです。

白井さん

白井さん

戎野ゼミでは、私と同じように、ゼミナール大会で先輩の研究発表を聴いて、こんな発表がしたい!と思って入ってきている人が多く、論文作成も発表の準備も、同じグループの他のメンバーがみんな頑張るので、私もやらなければならない環境で大変でしたが、試行錯誤しながら論文作成や発表の準備をすることで、例えば、共同作業をしていく中での同じグループのメンバーとのコミュニケーションの取り方や、プレゼンではこうやって話せば相手にうまく伝わる、ということが学べたと思います。就職活動やインターンシップで、プレゼンが難なくできたり、グループディスカッションで積極的に発言できたときに、自分が社会人として必要なスキルを戎野ゼミでちゃんと身につけることができたんだなと実感します。

インタビューに答える古川大翔さん

インタビューに答える古川大翔さん