講義・履修
Lecture & Colloquium
ミクロ経済学
担当 | 小野﨑 保 |
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ミクロ経済学を学んで経済現象を読み解くための論理を身に着ける
複雑に発達した現代の経済社会をそのまま理解することは不可能です。経済学は、複雑な経済現象から余計な枝葉を取り除き、本質的な論理の幹を抽出し分析することを目的とする学問です。
経済学の基礎理論は、ミクロ経済学とマクロ経済学に分けられます。マクロ経済学は、一国レベルで集計された現実の経済がどのような状態にあるかを診断し、その処方箋を書くことを目的とします。この点で、マクロ経済学は現実との距離感が近くて親しみやすいかも知れません。
これに対して、ミクロ経済学は、消費者や企業などの経済を構成する主体がどのように行動するかという考察から出発して、そうした主体から構成される市場経済がどのような振る舞いを示すかを分析します。分析の基本的な前提として、経済主体が完全に合理的な行動をするという一種の理想状態を想定します。理想状態における経済の様子がわかると、現実経済がその理想状態からどれだけ離れているかを診断することができるからです。このように、ミクロ経済学はマクロ経済学と比べて抽象度が高いため、その分だけ実感がわきにくい側面があります。
しかし、一旦理解できるようになれば、ミクロ経済学の論理がさまざまな経済現象の底流をなしていることが分かります。それゆえ、ミクロ経済学の考え方は『労働経済学』、『国際経済学』、『公共経済学』、『産業組織論』、『情報経済学』などの応用科目の土台をなしています。
ミクロ経済学を学んで、複雑な経済現象を読み解くための論理を身に着けましょう。

