講義・履修
Lecture & Colloquium

林 康史

金融論

林 康史

今こそ、私たち一人ひとりが金融を真剣に学ぶことが必要。

金融は時代の変化とともに大きく変化しています。皆さんの中には金融なんて自分にはあまり関係がないと思っている人もいるかと思います。あるいは、社会と隔絶して経済活動をせずに生きていくのであれば、それも間違っていないかもしれません。しかし、金融"論"は、経済をお金という面から捉えなおすものですから、万人に欠かせない実学の最たるものなのです。
日本の財閥は、江戸時代から大正時代にかけて誕生、発展していくのですが、三井、住友、三菱、安田、その他の財閥に共通するのは、金融部門を主力事業としてきたということです。これは近代の外国でも事情は同じです。歴史を振り返らなくても、今日、世界に有数の製造業の企業は、実は○○銀行とか言われるほど強力な金融部門をもっていることは、皆さんがご存知のとおりです。黒字倒産のように、実際の金融が伴わない実体は危うくもあります。
企業のみならず、個人にとっても金融は大事です。少しは出世してお金が溜まってから考えればいいと思っている人もいるかもしれませんが、人生の早い時期から意識して準備しておくことも必要です。
近時、好むと好まざるとに関係なく、私たちの生活はますます金融の世界と密着してきています。他国で発生した金融危機が日本経済に多大な影響を与えるようになりました。もはや、誰もが「金融のことはよくわからない」ではすまされなくなってきています。金融は他人事ではないのです。
金融とは、簡単に言ってしまえば、お金を融通することですが、金融論は、それを学問的に考えるものです。そしてそれを学ぶ理由は、実学といえども理論的に体系的に学んだほうが手っ取り早いからです。
実際のお金の流れは、個人や企業の場合だけではなく、実体経済全体を見る際にも欠かせない視点だと思います。2008年に世界中に広がった金融危機も、証券化やデリバティブによって引き起こされたマネーゲームのせいだという見方がなされることが多いようですが、これも実は「算盤あって銭たらず」という視点が不足していたのだと思われます。
今こそ、私たち一人ひとりが金融を真剣に学ぶことが必要なのだと思います。